コーヒーは3ドル、安いほどいい
せっかくの晴れた休みなのにだらだらと家に引きこもてしまうとき、罪悪感を抱かないように映画を見るようにしている。
今日もやっぱり出かける支度をするのが面倒で引きこもってしまった。
夜になって、後悔や不甲斐なさで自己肯定感がすりおろされる前にU-NEXTを開く。
今日選んだのはファッションとカメラの世界。
ニューヨークの街中で50年以上ストリートを撮り続けた方のドキュメンタリーです。
プラダを着た悪魔のモデルとなったVOUGEの編集長、アナ・ウィンターにも『彼に撮られるために服を着ている』と言わしめるほどの実力者。
そんな人がどうやってストリートスナップを撮っているのか、わたし、気になります!
出かけなかった罪悪感を払拭するために、今日は映画を見て感じたことや思ったことをまとめて、服に対しての思いや写真への姿勢を学びたいと思います。
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——— ビル・カニンガムさんとは?
NYタイムズ紙のコラムを手掛けるファッション写真家の方です。
30代から87歳までの間、朝から晩までファッションのことで頭がいっぱいで、街に出ては心惹かれるファッションへカメラを向けてきました。
ときには、勝手に撮るんじゃねぇ!と拒否されることもあったようですが、彼のスナップには愛らしさがあり、炎上したカメラマンのような不快感はありませんでした。
これが本来あるべきスナップや芸術の形なんだろうな。
ニコニコと純粋に好きなファッションに目を向け、見ず知らずの被写体とコミュニケーションをとる。
撮影された人も、ドキュメンタリーを通してみている私たちをもニコニコさせてくれる魅力がそこにありました。
——— 自分の信念を貫く強さ
ある時撮影した写真が掲載できないとNYタイムズにNGを出されたのです。
それは男性がワンピースを着ているものでした。
80年代の出来事であったようですが、当時はまだそのようなファッションが受け入れられていなかったんですね。
NYタイムズに掲載するファッションスナップなので、新聞社からNOが出ればそれは掲載できません。
それでも彼は自分がいいと思ったものを信じ、NYタイムズに粘り強く説得しました。
その甲斐あってか、現在では多様なファッション、文化、生き方が認められ、紙面に様々な写真が載るようになりました。
なかなか自分を貫くことって出来ないですよね。
多数の意見や評価に方向転換することって、ありませんか?
私はよくあります。軸がぶれて人の評価に心が揺らぐんです。
彼はそういったものが一切なくて、自分がこうと決めたものは譲らない。
そのような点がアーティストと支持され、多くの人に愛されてきた理由かもしれません。
——— 最高のファッション・ショーは常にストリートにある
生活も質素で、食べるものは安いファーストフードばかり、着るものは清掃作業員が着る上っ張り。
破れた雨除けポンチョはテープで張り直し、小さなアパートの狭い部屋はぎゅうぎゅうとひしめき合っているネガを入れるキャビネだけ。
本当にファッションのことにしか気がないんです。
好きこそものの…とはよく言いますが、ここまでこれるのは本当にすごいなと。
彼にとってNYでカメラを構える行為は、継続でも単なる仕事でもなく、夢中になれるものだったんでしょう。
『ファッションは日々を生き抜くための鎧なんだ』
そんな言葉を残してくしゃくしゃな顔で笑うおじいちゃん。
笑わされ、癒されつつも、好きなことに対して真摯に信念を貫く強さ。
そういったものを学べた1時間半でした。
映画公式サイト:http://www.starsands.com/BCNY.jp/index.php