マドモアゼルC、夢を叶える参考書

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本日は重なる出費で金欠故、ハマスホイとデンマーク絵画展に行きたかったところをグッとこらえておうちでゆっくり映画観賞会をしました。
最近たくさん映画を見る時間がとれて嬉しい。

 

今日の映画は、

【マドモアゼルC ファッションに愛されたミューズ】

 

モデル、作家、スタイリスト、編集長、ファッションディレクター、と入国審査時の職業欄に何を書こうか悩むほど様々な顔を持つカリーヌ・ロワトフェルド。
10年務めたフランス版VOUGEの編集長の座を2011年に手放し、2012年より個人で新規に立ち上げたCR Fashion Bookの編集長となりました。

65歳にして尚も輝き続けるクールでキュートでセクシーな彼女の魅力がギュッと詰まった本作品の感想を思いのままに書き殴っていきます…!

 

*****

 

——— カリーヌ・ロワトフェルドとは

ドキュメンタリーを見て、とてもパワフルな方だなと感じました。

1週間休みなく自国他国で撮影をこなし、チャリティーやイベントなどにも出席し、同時進行で企画しているパーティなども複数こなしていく。
家に帰れば母として子どもたちとその日の出来事を語り合いながら過ごし、生まれてくる孫との時間も大切にする。

このキャリアに情熱を注ぎつつも家庭を想う姿、実はこの人マイ・インターンのモデルになった人なのでは?

アメリカ版VOUGEの編集長はプラダを着た悪魔で、フランス版編集長はマイ・インターン
どっちもとっても好きなファッション映画です。
そしてどっちもアン・ハサウェイがめちゃくちゃ美しい。

恋も仕事も家庭も手に入れて尚且つ輝き続ける女性。
カリーヌは、そんな女性が憧れる超カッコいい女性なのです。

どれだけ辛くても苦しくても涼しい顔をして、その行為が簡単だと思わせる。
それってとってもプロフェッショナルよね。
Suddenly I See が脳内に流れてくるわ。

 

——— カリーヌが思い描くファッションの在り方

ファッションは夢、ビジネスじゃない ー

彼女にとってファッションとは、リアルクローズを超えるもの。
ファンタジーのように幻想的で、人々に夢を与えさせるものなのだ。

新規で立ち上げたCRという雑誌をどのようなものにしていくのか、自身の想いを語るカリーヌに深く共感した。

ファッションとは変身すること。
"夢の自分"に近づくこと。

これは世の女性の変身願望そのものですよね。
プリンセスに憧れたり、化粧をしてみたり、髪形を変えたり…。
ダイエットや整形だってそう。
みんな理想の自分になりたいんだ。

そんな夢を叶えるための媒体としてファッションは存在している。
変身することで自分の意識が変わって前向きになれたら万々歳じゃない?

どんなジャンルや職種でも、運営して存続し続けるためにはビジネスで利益を得なくては存続出来ない。
でも第一に、ファッションとは商売の道具ではなく、人々に夢を与えるもの。

雑誌を読んでるとき、店舗へ行ったとき、新しいシーズンの服を予約するとき、こころがわくわくする気持ち。
きっとそれがカリーヌのいう夢なのだと思う。

買える、買えないじゃなく、”日常とかけ離れたファッションの夢の世界を覗いて”ほしい。
そう願って生まれたCRは、見事私の心に刺さりました。
そして日本版CRを秒で注文しました。

 

——— 仕事と向き合う気持ちを忘れない

忙しいし辛いこともあるけれど、"誰かの一生に影響を与える"、そんな愛して夢中になれる仕事を見つけられたら最高ですよね。
天職と世間では言われます。

自分のしたかった仕事はこんなものじゃなかったはずだ…そう感じて転職していく方も多く見てきました。
夢や理想を追い求めることはとてもいいことだと思います。
しかし、それを手に入れるのは宝くじに当選するくらい難しいこと。
棚ぼたで与えられるものではなく、自分で見つけ、磨き、作り出して手にするものなんです。

服が好きという気持ちでファッションに関われる仕事に就いた彼女。
でも、モデルもスタイリストも上手くいかなかった。

カリーヌの思想や表現はセクシーで官能的であるがゆえに、保守的な考えの中ではその個性は批判の対象になることも多かった。

雑誌の創刊に関しても多方面から圧力をかけられ、どんどん人がいなくなってしまう。
そんな中、彼女は慣れ親しんだ人脈を切り捨て、新しい世界に果敢に踏み込んでいく。
この窮地をチャンスに変えられる力こそが、夢をかなえる力そのものなんだろう。

足を引っ張る人たちはどこにでもいる。
仕事は潰される覚悟で挑まないと、そう語る彼女に是非感化されてほしい。
好きを頑張る人は是非観て。

 

 ――― 個人的みどころ

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画像掲載元:https://www.restir.com/thefeatures/mademoiselle-movie/

ブルース・ウェバーによる表紙撮影のシーンが、もうめちゃくちゃ好みすぎてため息しかもれない。
童話とおとぎ話を詰め込んだ世界観、セクシーと可愛いが混ざり合ったような魅力が詰まりきってるの。
ドロシーの撮影はもう言葉にできないくらい美しさ極まれりって感じでとっても好きでした…。
あんな世界観の撮影がしてみたいです。

 

長々と感じたことを書いてきたけど、書いててさらに思ったわ。
このドキュメンタリーをみるまでカリーヌについて一切知らなかった人を90分でこんなに魅了させることができるなんて本当にすごい人よね。

1つのものを作り上げる熱量も、それに向き合う姿勢も誰にでも真似できるものじゃない。

 

「いつかきっと飽きられる 覚悟してるわ
 人々は新しいものを欲しがる そうでしょ?」

 

わかりますか?
もう発言する言葉すべてがカッコいい。真理。

シャネルは70歳で出直した。
始めるのに遅いなんてことないよね。
思い立った今がその時。

よし、仕事しよう!
好きなこと頑張ろう!そう思える素敵な作品でした。

 


映画『マドモアゼルC~ファッションに愛されたミューズ~』予告編

公式サイト:http://mademoiselle-movie.com/